岸君がさっきからしゃべらないのも、声が出ないからなんじゃないの……!?

 もしかしたら、座っているのも、つらいのかもしれない!

「ヒド……!
 全く!
 誰がこんなことやったのよっ!」

「俺じゃないですよ?」

「判ってるわよ!」

 あたしは、吉住さんに、強くささやくと、岸君の手を取った。

 誰が、殴ったか、は後回しっ!

 それより早く、岸君を保健室に連れていかなくちゃ!