……結局。


 あたしが、学校に行けるようになったのは、それから二日後だった。

 一度下がったはずの熱が、あれからもう一度ぴゅう、と上がって。

 次の日に学校には行けなかったから。

 何か、よほどトラブっているのか。

 兄貴は、あの朝から家に帰って来ず。

 直斗や、岸君もお見舞いに来てくれなくて。

 岸君が言ってくれた告白も、兄貴達の話も、まるで、夢の中の出来事みたいだった。

 ……でも……

 夢でも、ウソでも無いよね?

 あたしは、二日ぶりの自分の教室の前で、教科書の詰まったカバンを置くと。

 無事な手で、ほっぺを、ぱん、と叩いて気合いを入いれた。

 だって。

 あの日。

 岸君は、クラスメートの前で、暴走族の上着を着て、脅かす予定だったのに。

 直前に計画がバレて、エラいことになりかけたんだ。

 あれから二日経ったとはいえ。

 岸君が、今どんなことになっているのかすごく心配だったから。

 あたしは、自分の教室の前で、深呼吸をすると。

 そっと、扉を開けた。



 と。


 次の瞬間。