俺様先生と秘密の授業【完全版】

「ま、どうせ、今日の頭は、俊介だろうし。
 目的は、せいぜい愛莉のお迎え、だろうから大したコトは起こらないはずだけど。
 それでも、簡単に学校に集結して良い集団じゃない」

 そう言って、参ったな、と早瀬倉先生は頭を掻いた。

「俊介も狼を引退して、大分経ったからなぁ。
 現役の頃ならともかく。
 ちょっと動くだけで、こいつらも一緒にやって来るなんて、思ってもみなかったよ。
 確かに、俺が甘かったぜ」

 早瀬倉先生は、真面目な顔をして反省してたけど、遅いのよっ!

 だって、問題は、それだけじゃないんだから。

「……これで、学校中の皆に、あたしの家が普通じゃないってバレちゃう……」

 もうすぐ来るだろう、兄貴が。

 こんな暴走族の幹部と一緒に登場し。

 校舎に入って、あたしを探しだしたらアウトだ。

 普通の保護者が学校に来たときにするように。

 職員室で、外来者名簿に名前を書いて取り次ぎを頼んだって、大騒ぎになるに違いない。


 え~~ん。

 せっかくクラスのみんなと、フツーの女の子として仲良くやってたのに~~
 

 怖がられた揚句。


 皆とさよならは、嫌だよ~~