「兄貴はシスコンなんだから!」
……それも、半端じゃない。
超ド級の。
あたしの言葉に。
早瀬倉先生は、ああっ、とばかりに自分の口に手を当てた。
「そう言えば、あいつ。
昔から、愛莉をいじめたヤツには。
容赦なく、やり返していたけど……」
顔にあざ、とか服を破るくらいならまだいい方で。
殴った揚句。
相手を、ゴミ溜めやら、真冬のプールに捨ててくることもしばしばで。
早瀬倉先生であるところの、直斗と、一番つるんでいた当時。
兄貴は『黒い守護者(ダーク・ガーディアン)』改め『ダガちゃん』とフレンドリーに呼ばれていた。
もちろん、それ。
あたし専用のガーディアンだけど。



