別に特別、用はなかったけどさ…。 いきなり呼ばれても困るっつーの。あたしだって抜けられない場合もあるじゃん。 そんなことを思っていると、「失礼します」という男の言葉が聞こえてきて。 着いたことを知らされた。 中に入ると、桃にしたように頭を下げる男。 …と、組長と呼ばれた優しそうな、それでいてどこか人を寄せ付けないようなオーラを持っている男がいた。 「桃」 その組長と呼ばれた男。 …否、あたしのお父さんはあたしの名前を呼ぶ。