シーン――…。 いつの間にかすごい静かになっていた。 …授業か。 目の前にはまだウザイ奴がいる。 「じゃあな」 今度こそ階段に向かって歩き出した。 …が、 ……!!? いきなり後ろから抱きつかれたせいで、それも叶わなかった。 「ねぇ……、なんで……?」 そして聞こえてきたのは、いつになく弱弱しい琴華の声。 「あたしはホントに好きなのに……。」 「少しはあたしの方も向いてよ……!!」 そう言いながら。 …泣いていた。