『冬可は何お願いしたの?』



おみくじへと走っていくふたりを見失わないように見ながら、

隣を歩く冬可にダメ元で聞いてみる。



「お願いって誰かに言ったら、叶わないんだろ?」



…やっぱりダメだった。


でもま、



『幸せだよねあたし達。』


「ああ。」



何をこれ以上望む必要があるんだろう…。


子供がいて、愛する人がいて…


健康だったらもう、何も望まない。