不意に出た名前。 不意に出た言葉。 あたしと目があった冬可は、一瞬目を見開いて…目を伏せた。 …冬可の手にはお弁当。 隣には昨日見掛けた彼女さん。 『あ……ごめん…なさい。ジャマでしたよね…。」 そう言って屋上を去ろうとしたその時。 「ちょっと待って」 背中越しに、冬可の声じゃない。 女子特有の高い声があたしを呼び止めた。