半熟cherry


観覧車は傾く。

私と郁の距離は縮まる。



「ずいぶん上がってきたな」



そう言って外を見る郁の顔は。

私の顔の真横にあった。



……どうしよう。

……心臓が、うるさいよ……。



ドキドキドキ…と。

心拍数が普段の倍くらいになってる。



「……茜……」



郁は耳元で囁きながら。

後ろから私のお腹に腕を回した。


「…今日、俺誕生日なんだ」



耳元をくすぐる郁の声。



『…そぉなの?おめでと〜。
知ってれば何か用意したのに』



平然を装うけど。

声が震えそうなのが自分でもわかる。



「だからさ」



フッと郁が腕を緩める。

私と郁の間に隙間が空いた。

……その隙間が寂しくて。

私は振り返った。