部屋の中で窓を閉めきっていれば気づかないくらいの、ささやかで、ちいさな雨なのに、それでも、天気予報が雨天だと告げるから、あの人は電話はおろか、メールさえくれない。 ゆびさきに、すこし離れたところから、ふっと息を吹きかける。 息は、ひんやりとしていた。