優奈side




あの後私達は勝利した。




その後も順調に勝ち進み、1年生なのにもかかわらず決勝に残ってしまった私達。




先輩達からしたら、


『1年が決勝とか空気読めよな』



って感じなんだろうな




とか勝手に思い込んでいたら




案外周りからは




『1年3組頑張れ!』



とか



『優勝できるよ★』



とか



『優奈ちゃん、美雨ちゃん頑張れよ〜♪』



とか




男女問わずとにかく私達のチームを応援する声ばかりが聞こえる。




でもそんな声援をかきけすかのように




私の頭の中は滝岡先輩のことでいっぱい。




なんで?





なんでこんなに気になるの?



固く閉じたはずの思いは



こうもあっさりと開かれ、そして苦しくさせる。




「優奈?大丈夫?」




目の前には心配そうな美雨の顔。




「え?うん!大丈夫だよ」




「本当に? もう少しで試合始まるのにさっきからずっと上の空。」




「あ、ごめんね?ちょっと考え事してた!」



私はそう言うと美雨に微笑んだ。



いけないいけない!




今は試合に集中!




決勝に来たからには絶対勝ちたい!




私は気分を入れ替えコートに入った。