そのイスは冷たく1日は普通にはじまった
まるで今まで何もなかったかのように
授業を抜け出して空を見上げた

幻なんかじゃなかった
町田と居た日々のこと

やっぱり空は相変わらず透き通って綺麗だった


帰り道 ひとりで帰るのはかなり久しぶりだった
寂しくはなく空気は穏やかだった

遠くの方でユリエの声が聞こえた

「久しぶり」
俺は振り返ってそう言った

ユリエはびっくりした顔で
「田中?あんた変わったね‥かなり変わった!本当に田中?」


「お前は全然変わってねーな」

俺は笑ってベロを出した
たぶん夕日に反射してキラキラ光ってたんだろう。