「ハルがあ……私のこと妹みたいにしか見れないってことくらい気付いていたわよっ……」

ミユさんが、涙声で嗚咽混じりに口を開く。
それに遅れないように相槌を打つ。
時折、鼻を啜るのでティッシュを渡した。


「でも、ハル君は大切にしてくれてたと思うよ?上手く表情に出さないけど……歩くとき、荷物持ってくれたりしてたよ。それって友達はしないよね?」


「……うん。」

真っ赤な瞳がこちらを向く。


「ミユさんは魅力的な女の子だよ。」

ミユさんは安心したように鼻をかんでから笑った。
きっと、ハル君もこの明るい笑顔が好きだったんだな……と思うと何故か胸がチクリと痛んだ。


「私……おかしい……」

ミユさんが頭を抱えはじめた。


「おい消毒液。」

光の早さでハル君が帰ってきた。


「有難うハル君。ミユさんがまだ具合悪いみたい付き添ってあげて……!先に帰るね。」

ハル君を前にするとチクチクが強くなるのでその場を離れた。