「なんだか、夫婦漫才みたいだね。」

阿東はまだ暢気が抜けてないようだ。


「そうは思わない……」

完全にミユとの恋愛感情は切れたのだから。


「俺は二人が羨ましいよ、待ち合わせして、映画を観てご飯食べた後に手を繋いでデートしてみたい。」


「じゃあ次の出掛けるのはデートだからな。」

瞬時に受信した電波へ俺の唇が空気を読む。
ミユがお茶を吹き出した。


「冗談だから、ね?ね?」

ミユと俺を交互に目配せして、確認を取る。


「映画何が観たい?」

一度、受けた強い意思はそれ以上の意思を受信しないと書き換えることは困難だ。
最近は流れに身を任せている。