「ハル、今日暇?佐々木君と三浦っちも居て今カラオケなんだけど……」


『ああん?聞こえない、今それどころじゃねえんだよな。』

元彼はそう言って一方的に通話を切った。


「ハル来るって?」

友人もそう信じて疑わなかった。


「切られたあ」

お互い友達から恋人に発展した二人だ、いまだに仲良く遊びに行く仲だ。
理由があって断られることはあってもこんな一方的な事は有り得ない。


「あいつ、最近おかしいよな……」


「三浦っち、何か知ってるの?!」

元彼女で友人であるミユには、自分がハルの中で誰より劣らないと絶対の自信があった分、衝撃だった。


「それがさ、急に授業中飛び出したりするんだって。それに最近、屋上で何かのコソコソと召喚してるらしいよ?噂では取り憑かれたとか……これ、学校同じ奴からの情報な。俺は女だと思う。」


「ハルに恋人なんて、聞いてない……」

付き合う時は互いに紹介し合うようにしていた、ミユは自分が可愛いことを理解していたので、それをしらしめることにより牽制するためだ。


「いや、ハルが変わるといったら女くらいだろう。」


「他に考えられない。」

ミユに視線を送りながら友人は会話する。


「……私、今日用事出来たわ。」

この、行動力がミユの長所だ。