体が勝手に反応する現象を反射と言うならば、これもそうに違いない。

今、俺が上級生のテンプルにクリーンヒットしているこの現状……これも反射だろう。



「鴨川君もういいよ!」

何故だか、このチンクシャな上級生の声を聞くと身体が勝手に動く。


「てめっ……俺になにをしやがりました、御主人様なんなりと申し付け下さい!」

身体どころか口まで勝手に喋りだした。


「ごめんなさい鴨川君……事故だったんだ。」

チンクシャの話を要約すると俺の頭にアンテナが刺さっていてそれが全ての元凶らしい。


「じゃあ、これを引き抜けばいいんだな!」

俺が頭上のアンテナを引っ張り上げた瞬間のことだった。




バチバチ


と、火花を散らしながら頭から焦げ臭さが広がる。


「せ……説明書!……注意、このリモートアンテナ君(特許出願中)は一度適用されると上書き出来ません、つまりは外れないので力任せに触らないでください。電流が流れます。」

チンクシャの読んだ冊子を奪うと、取り扱い説明書のでかでかと書かれた下に蚯蚓を引いたような小さなフォントで記載されていた。