そして、会釈をしたときに、見付けてしまった。

彼の赤茶色の髪が靡くつむじに刺さっているアンテナを。


おじさんの発明は成功だったのだ。
どうやら、公園で鴨川 ハルに偶然アンテナが刺さってしまい、彼は不幸にも俺のことを御主人様などと言わなければならなくなったのだ。


鴨川 ハルは俺の会釈を確認すると、無言でその体躯を上げて凄みをきかせながら出て行った。

俺は夢でも見ているような感覚で、鴨川 ハルのアンテナを抜くことも忘れていた。





校内一下っ端の俺が、他校にまで轟く喧嘩の強い鴨川 ハルの御主人様……?