「なに言ってんの……?」

巨体の鴨川 ハルを前に怯みながらも、反論する奴ってば、意外と頑張っているな……。


「御主人様の教科書、返せ。」

鴨川 ハルの発言に、皆どよめく。


「どうした、鴨川……ちょっとおかしいぞ。」

先生も声をかけるが、無視された。


「御主人様の教科書は返してもらう。」

奴の手から教科書を奪い、鴨川 ハルは俺の机に向かって来た。


「……どうぞ。」

ぎこちなく、鴨川 ハルは俺の机の前で跪づき、教科書を置いた。


「……どうも。」

俺は彼に軽い会釈くらいしか出来なかった。