「はぁぁぁあ『裂岩衝』!!」

思い切り振りぬかれる鉤爪。

ワイズが難なく回避し、迎撃に体勢をもっていこうとした時。

「――――!!くっ。」

左脇腹に違和感を覚え、視線をそこに落とすと、血が滲み出ていた。

「くっ、流石は竜尾だ。衝撃波を生み出していたか。」

「ふふ、正解よ。でも分かったところで、避ける手立てはなくてよワイズ王――?」

フィニは腕に違和感を覚えてそこに視線を落とす。

「――『神風』」

すると竜尾の鉤爪が一瞬にして脆く崩れ落ちた。

フィニはワイズを睨み付ける。

「私の力に何をしたワイズ王――!!」

すっ。とワイズが人差し指を立てる。

「よくお聞き。風の刃は君を噛み砕こうとしているよ。」

「――なっ!?」

フィニが辺りに注意を払うと、もまや逃れられないほどの魔力が自らを囲いこんでいた。

「神の風に吹かれて墜ちろ――」

「ぐぎゃぁぁぁぁぁあっ!!」