鳴り響く銃声。

シムとシルクは目を疑った。

「――え、マリアさん!!」

拳銃を突き立てられたシルクの前に走り込んだマリアが、シルクの身代わりとなり腹部に銃弾を受けた。

おびただしい血を流しながら倒れるマリア。

「はは、はははは。バカな小娘めが。自分から打たれるとはな。」

そう言ってシムは拳銃を捨てて走りだした。

「……ま、待て『光縛』」

「ノーム、盾を。」

走りながら背中に岩の盾を出したシムがシルクの光を回避して、深い森の中に消える。

「逃がしたか。いや、それよりもマリアさん。マリアさん!!」

意識を失ったマリア。

シルクは必死に彼女を助けるみちを模索していた。

「ミカエル、何か、何か方法はないのか!?」

ミカエルはゆっくりと目を瞑る。

そして何かを決断したのかゆっくりと話しだした。

『まだシルクに教えるのは早いと思っていましたが、今のシルクの魔力ならば可能でしょう。』

「方法があるんだね?」

『大天使の羽衣3つ目の力をシルクに授けましょう。さぁ、集中して――』