「さぁお仕舞いですよシム。大人しく僕に捕まってください。」

シムは背中の後ろでひっそりと魔力を込めた。

そしてある物を錬成したのだった。

山のふもとまで降りてきていたマリアがそれを見ていた。

「――シルク!!」

駆け出したマリア。

「できたら何もしたくないです、さぁ腕輪を渡してください。」

シルクが手を伸ばす。

「わ、わかった腕輪は渡す。だから何もしないでくれぇ。」

ごそごそと背中の後ろで手を動かすシム。

シルクが逃れられない場所まで近づいたのを確認すると、それを突き出した。

「バカが、そんなことで王になる資格を渡すわけがないだろう。死ねシルク・スカーレット!!」

カチャっと突き出された拳銃が、シルクの眉間に向けられていた。

「さらばだ。」

ドンッ!!