広がる高原の真ん中でシルクは立ち止まり、振り返る。

「……うん、ここだったら。」

木々を操る能力。そう感じたシルクの機転であった。

高原の真ん中から林までは数十メートル間隔があいている。

シムの能力で木々を操られたとして、十分に回避できる距離を取った。

ゆっくりとシムがシルクに追い付く。

「鬼ごっこはお仕舞いかい?ぼうや。」

「そう、鬼ごっこはお仕舞い。ここからは……宴の始まりだ。ミカエル!!」

燦然たる輝きを伴に、シルクに巻き付く大天使の羽衣。

「天使ミカエル……光の力か。なぁに相性は悪くもないさ。なぁノーム。」

左手に付けられた鮮血の石が怪しく輝く。