藪をかき分けシルクは走っていた。

その遥か後方をゆっくりと歩くシム。

「ふむ。若者の足に追い付くのは無理がある。見失ってしまうわけにもいかぬし……ノーム。」

鮮血の石が赤い輝きを放つと、大地に根差していたはずの木々が割れる。

まるでモーゼにでもなったかの様に、木々の分かれた平らな道を歩くシム。

バキバキバキ。っと音をたてながら木々はシムに道を譲かの様に左右に分かれていくのだった。

「かくれんぼはお仕舞いだよ。坊や……」