「……あ、あれ?」

フレアに渡された魔法地図を見たシルクの表情が変わる。

「シルク?……はっ、これは!?」

地図に浮かび上がるのは2つだけの炎。

マリアとシルクは互いに探知範囲外の近接した領域にいるので、片方の炎は消えている。

「ここは炎神獣の寝床。」

地図に浮かび上がったもう1つは炎神獣の寝床にいるゲセニアのものだ。

「残り2人が消えている……」

「まさか2人も誰かにやられたってこと?」

可能性は2つしかなかった。

地図に浮かぶもう一人に消えた二人がやられてしまったか。

新たな敵がシルク達の近くに接近していて地図に写らないかである。

「とにかく場所を移しましょう。」

「そうね。今まさに近づいているのか、もうすでに私達の近くにいるのか分からない。」

2人が移動を始めた瞬間だった。

バキバキバキバキィ!!

後方から激しい音が鳴り響き、2人が振り返ると巨大な木が斜めに倒れた。

「……まさか敵?」

「とにかく今はいったん距離を取りましょう。」

シルクは頷いて走りだした。


そんな2人の様子を見て愉快そうに笑う男。

ゆっくりと着実に、2人は男の手中へと歩を進めていくのだった。