ボロロロロ……

ブロッブロッ……

ドドドドドド……

「あれは砂上バイク?」

シルクの目の前に現れた砂上バイクを乗り回す男達。

ふかしまくったエンジンを止め、中央を陣取る男が降りてきた。

「よぉ、あんちゃん。旅人かい?」

明らかにガラが悪い。

シルクは表情1つ変えない。

「ここらはオレ達、サンダービートの縄張りなわけよ。困るんだよなぁ勝手に入られるとさ。」

男は顔をギリギリまでシルクに近付けて威嚇している。

「自然はあなた達だけの物ではない。それに、そんなモノを乗り回していたらここに住む動物に迷惑だ。」

「ここに住む動物に迷惑だ……?」

男達は声をあげて笑う。

「がっはっはっは。残念だけどここら一帯には動物はいねぇんだよ。」

「何故なら。オレ達サンダービートが砂中生物は全部狩って売り飛ばしちまったからさ!!」

「特にここにしか生息しねぇサンド・ラットは高級だからよ。絶滅するほど狩ってやったよ!!」

ゲラゲラと笑う男達。

シルクは小さく息を吐いた。

「どうしたよ、あんちゃん。顔色悪いぜ?へへっ。」

「うちらの悪さにびびっちまったのかい?」

男に髪を掴まれ顔を無理矢理にあげられる。

「てめぇ、何だよその目はよぉぉおっ?」

手首をひねりあげシルクは男を砂に抑えつける。

「ゲス共が……痛みを知れ。」