「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁあっ!!た、助けてくれぇっ!!」

ブリスベンが叫ぶと、水流はまるで泡の様にすぅっと消えて無くなった。

地面に這いつくばったブリスベン。

「はぁはぁ。いったい何だったんだよ……たが、助かった。」

にやりと笑うブリスベンが、背後に人の気配を感じ取った。

ザリッ。

「捕まえたわ、ブリスベン・マーク。」

ブロンドの髪の奥から覗く、鋭く冷たい瞳。

そこにいたのは、先程シルクが出会ったマリアだった。

「はっ。綺麗な女じゃねぇか……おめぇを捕まえてオレ様がぐちゃぐちゃにしてやるよ!!」

避けることなどできるわけが無い、目と鼻の先でブリスベンは銃を発砲した。

ブリスベンの弾丸がマリアの眉間を貫いた瞬間。

バシャッ。

「残念ね『アイス・ドール(水分身)』よ。」

「――なっ!?」

マリアの身体は水となり地面に消えた。

そしてブリスベンはまた背後に人の気配を感じたが、今度は振り返えることができなかった。

「終わりよブリスベン。私はあの子みたいに捕縛するなんて言わないわ。」

チャキッ。と音をたてて首筋に当てられたサファイアの様に美しい三つ又の槍。

「さぁ、1人目よ。やりなさいウンディーネ。」

『うふふ。せめて気色の悪い叫び声を聞かせてちょうだいね。』

振り上げられた、槍が振りぬかれる。

ブリスベンは断末魔をあげることすら出来ずに、首と胴体を切り離され息絶えた。