強い光。


温かくて、安心する。


勇気、得心、正義、エトセトラ。


全てがまるで自己を肯定し力を与えるかのような錯覚に陥りそうになる。


力が溢れ、自分が正しいと疑わなくなる。


それは慢心ではないのか?


そう思うだけの思慮すらも奪われるこの感覚は、あの濁流にも似ていた。


「なんだこれは……



温かいのに、どうしようもなく








恐い」



光の濁流は闇よりも粘りつき心を蝕んでいく。


望ましいとされる感情は人々の目をくらまし、時に望ましくないとされる感情よりも人々を狂乱させる。


それに打ち勝つのもまた心。


シルクは勇気を振り絞る。


そして力強く天に手を突き上げた。