シルクはブリスベンの撃ち終わりを狙って木の陰から飛び出した。

が、それはブリスベンの罠だった。

「引っ掛かったな餓鬼。死ねよ、火炎放射だ!!」

銃を持っていた手とは逆の手に握られていた火炎放射器。

おそらくは銃でシルクを木の影に足止めし、火炎放射器で木ごとシルクを焼き殺そうとしていたのだろう。

「――しまった。」

「へっへっへ、あばよ。」

無慈悲に握り困れるハンドル。

銃口から灼熱が吐き出され、シルクを飲み込もうとした時だった。





「魔導『バブル・バレット(水泡流弾)』!!」

鉄砲水の様に激しい水流が火炎を飲み込み、そのままブリスベンへと襲い掛かる。

「なっ、なんだよこりゃあ……う、うわぁぁぁぁぁあっ!!」

水流はブリスベンを飲み込み、遥か向こうまで弾き飛ばしていく。

「な、何が起こったんだ?」

シルクが水流の来た方を見渡すが、そこには人影どころか水気すらも無かった。