世界が揺れる。

全ての動物がその異様な感覚に身震いするほどのナニカ。

真っ黒な扉の中からソフィアは姿を現した。

ドクロや悪魔の彫刻に飾られたおどろおどろしい扉が、漆黒の闇のなかに消えていく。

『よお、気分はどうだ?』

ルシファーの問いにソフィアは何も応えなかった。

だがそれでもルシファーは満足そうに笑う。

『どうだ人智を超越した気分は?

貴様のなかに魔力がみなぎっているのが分かるぞ』

ソフィアは自らの手のひらをじっと見つめる。

その目はまるで見えていないこの様にも感じた。

ゆっくりと目の前の雑木林の中の一番幹の太い大木に手をかざした。

そして魔力を込める。

「…………!?」

ソフィアの魔力に触れた瞬間に大木は枯れ果て朽ちて崩れていった。

「……くくっ」

ルシファーはまた笑った。

ソフィアは天空を揺らさんばかりの声で笑う。

「ふはははは!ふははははっ!

オレは魔界の力に見いられたのだ!手に入れたぞ!!世界を統べる力を」