霞虹の性能が分からず立ち尽くすシルク。

得たいの知れぬギフトに先手をとるべきかどうか迷いが生じたようだ。

『やっかいなギフトですね。
おそらくあれは彼の精霊であるケットシーの玩具の一つなのでしょうが、ただの玩具は私の持つ書には記されていない

得たいの知れぬギフトに考えもなしに近づくのは自殺行為にも等しい。

しかし、後手を取れば彼の剣術の的になる』

シルクの不安を代弁するかのようなミカエル。

「後手を取れば負けは必至。

ならば罠かもしれないが、こちらから出る以外に道はない……か」

『…………立派な戦士になりましたね』

「えっ?」

ミカエルの急な言葉に驚くシルク。

『あなたならば或いは……と危うく考えてしまいそうになります』

「ミカエル?」

ミカエルはそれきり口を閉じた。