聖霊の宴


マリアはシルクの手を握りながら、シルクの腕輪を見つめる。

「綺麗な腕輪ね。灰炎にもアクセサリーを売っている所があるの?」

炎王からの贈り物。

しかも只のアクセサリーではなく聖霊の宴の為のものだ。などと言える訳もなくシルクは言葉を濁すのだった。

「これは、母が旅商人から買った物で。安物ですよ?」

「……そうなの。」

作り笑いを悟られぬ様に、シルクは腕を隠した。

「にしても黄炎なんて都会の人が何故こんな所に?」

マリアは濡れてしまった髪を手ぐしで整えながら答える。

「旅行よ。あるものを探すついでにね。」

「あるもの……?」

意味深げな言葉をシルクが復唱した瞬間だった。

パン。パパパパ。パン。

「ギェェェ……ピピピ……」

響き渡る銃声と動物達の悲痛な叫び声。

「銃声だ!!ヌイドル湖は禁猟区域なのに狩りをしているのか?」

銃声のした方角を見たシルクとマリアが同時に1人の男を発見した。

銃を担ぎながら、森の中を駆けるその男にシルクは見覚えがあった。

「あれは、リストに載っていた犯罪者の1人じゃないか!!」