「見るが良い、これが拙者が全霊を破壊のために込めた型だーー『修羅の型』」
再び畳の弾け飛ぶ音がして、それと同時にオハンが危険を叫ぶ。
霞による目隠しが意味を成さぬ程の殺意。
前方から放たれるその驚異的な殺意にシルクは回避という選択肢を捨てた。
「頼むよミカエル『光浄』!!」
前方に向かって光が放たれる。
その光を掻き抜けサスケがシルクの目の前に躍り出る。
その瞳は人間を殺戮する為に輝く。
「散れ、哀れな小僧」
一欠片の躊躇もなく凶刃が降り下ろされる。
「ーーワイズ王!!!」
右肩を切り裂かれるシルクが叫んだ。
サスケはそのままシルクを切り裂く為だけに力を込めている。
大天使の羽衣が刀をどうにか受け止めているが、ジリジリとシルクの肉が裂かれていく。
「足掻きを……
終われ『月るい……
「隙だらけだサスケ!」
翡翠の風が吹き荒びサスケを呑み込む。
この時初めてサスケは自らの異変に気づいたのだった。
「ぐぉぉぉあっ!」
ワイズの攻撃が初めてサスケの足を止める。
サスケは自らの手足を動かし異変を確認する。
「魔力の盾を剥がされた?」
サスケは再び魔力を全身に込める。
身体に滞りなく流れる魔力。
「今のは何かの間違いであろう。
……参る」
畳が弾ける音と共にこだまするオハンの叫び。
「委ねよ『審判の風』」
ワイズの翡翠の風が部屋中を包み込む。
それはサスケだけでなくワイズ自身や共闘するシルクをも包み込む。
シルクは殺意の向けられる方向に光を放つ。
しかし、サスケはシルクの光など意に介さずに直進しシルクを自らの間合いに納める。
振り抜かれる刀。
シルクはタラリアで後方に飛ぶ。
その瞬間だった。
翡翠の風がサスケの向かい風に、シルクを逃がす追い風となり二人を押し運ぶ。
わずかな抵抗はシルクに致命傷を与えるはずだったサスケの斬撃を遅らせ皮一枚を削るのみとした。
「……何だこれは」
サスケがほんの一瞬、自らに生じた違和感に意識を向けた時、ワイズは自身最大の攻撃の準備に入っていた。



