「ソフィア族は私念の為に力を使い、多くの厄災をもたらし人々から恐れられる様になる。

そこでポリア族はソフィア族の弾圧に乗り出したのだった」

そこまで聞いてシルクにはある疑問が浮かぶ。

「ソフィア族が人々を力で支配して恐れられ、それから救う為の弾圧ならば正当な理由になるのではないですか?」

「そうだ。恐怖からの救済は立派な理由であったろう

しかし……」


サモンが言葉に詰まり、少しの沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのはフレアだった。

「元は力で支配をしていたソフィア族のみを弾圧する動きであったが、人間というものはそれだけで留まることはできないものだ。

支配層を叩くだけでは止まらず、罪のない者、善良な者、果ては子供に至るまで"ソフィア族"の血縁者は皆殺しにされた」

「……そんな」

耐え難い事実にシルクは目を落とす。

サモンはゆっくりと続ける。

「ソフィア族は散り散りとなり身を隠しながら生きることになり、彼らは歴史上から抹殺された。

そんな一族が世界を人間を憎んでいても何ら不思議はないだろう」