番茶の芳しい香りが部屋に広がる。

サモンは静かに3人分のお茶をテーブルに置いた。

そんなサモンの自然さにシルクは不安すら覚える。

「リコも落ち着いた様だし話をしよう。まさかフレアを破り大陸王となるとは思わなかったぞシルク」

サモンはにっこりと笑う。

いつかの様な優しい笑顔で。

「リコの身にいったい何が起きたんですか?あなたはいったい何者なんですか?」

シルクの表情にサモンは微笑む。

「そんな顔の子供にはちと伝えずらい。君はフレアに勝ち何を得た?」

シルクは思い出す。

フレアと拳を交えた時のこと、王の証である腕輪を手渡された時のことを。

「うむ、それで宜しい」

真っすぐな瞳でサモンを見つめるシルク。

サモン一口お茶をすすって、ゆっくりと話し始めるのであった。