陽はもう頭の先だけをどうにか出しているだけで、遠く山々が作る地平線に飲み込まれようとしていた。 『敵だったのかどうかは分かりませんが、どうやら今は仕掛ける気はないらしいですね…… さぁもう少しです。シルクの故郷に帰りましょう』 ミカエルに諭されシルクはようやく臨戦体勢を解く。 そして深呼吸を三度して山を下っていくのだった。