ソフィアはシルクにゆっくりと近づいていく。

その瞳は冷酷なままだ。

「なんでお前がここにいるんだ?」

息も絶え絶えにシルクが問うと、ソフィアは大きな溜め息を吐いた。

そしてある物を取り出してシルクに見せる。

「……!!それは、晩秋の首飾り!」

以前持っていたレプリカとは違う正に本物の晩秋の首飾りだった。

それをソフィアが持っているということは

「バカな、伯爵が負けた!?」

信じられないことだった。

クラフィティの敗北。

「つまらなかった……誰の墓だか知らないが、魔力も纏わずにいるなんてな。」

ソフィアはシルクの横に、腰を浮かして座る。

「あまりにも隙だらけだったからさ、後ろからやってやった。」

力の入らないはずのシルクの拳が、怒りでわなわなと震える。

「ルシフェルが気にしてたみたいだから生かしておいたけど、お前ももういいや。」

闇が鎌の形に集まり、ソフィアがそれを構える。

「……ばいばい。」

黒い刃が躊躇なく振り下ろされる。