「まったく、訳の分からぬ輩の言葉も聞いてみるものだな。」

ゲセニアが一つ二つと岩を下る。

「まさか貴様がここまで力を付けようとは思わなかった。そうだろう?ベルゼブブ。」

ずぁぁあっ。とゲセニアの足元から煙幕の様に闇が広がる。

「輩とは……?」

シルクの言葉にゲセニアは何も答えない。

「だが、まずは試させてもらおうか。『黒墓』」

どっ。と一瞬にして闇がシルクを飲み込んだ。

次の瞬間。

カッ。と闇の中から光が飛び出し、黒墓が消滅した。

「腕試しはこんなもんで良いんですか?」

そこには大天使の羽衣を纏ったシルクの姿があった。

心なしか羽衣の輝きが以前よりも増している様に見える。


「言うじゃないか。ベルゼブブ『連獄』」