「ギフト?さっきまでの魔法と何が違うんだよ!!」

フランジェは凍り付いた爪を剥ぎ取り、グレイシアに向かって投げつける。

パキッ。パリリィィン。

グレイシアが手を差し出すと、氷の糸がフランジェの爪を覆い尽くした。

瞬間。

爪は一瞬にして凍り付き、脆くも崩れ去る。

「もう降参してくれないかしら?これ以上ここに不細工な氷象を創りたくないのよ。」

凍り付いた野党達を見てグレイシアは言う。

フランジェは怒りで肩を揺らしていた。

そして懐から銃を取り出す。

「呆れた。そんなもの私には通じないとまだ分からな――」

フランジェは銃を構えながらグレイシアに突進してきた。

「銃弾が効かねぇのは凍らされて地に落ちるからだろう。なら、凍らせられねぇくらいに近くから撃ったらどうよ!?」

突進しながらフランジェはグレイシアとの間合いを詰めていく。

氷の糸が腕を足を絡め取るのも無視して、フランジェはとうとうその距離にまで近づいた。

「あばよ、嬢ちゃん。」

眉間に触れる程の距離に銃口を押し付け、フランジェは引き金を引いた。