シルクをかばいシムの弾丸をその身に受けたマリア。

シルクはマリアを抱えながら神に祈る。

「お願いだ、マリアさんを助けて!」

聞き届けるは神にあらず、シルクの後ろで見つめる天使。

『これはまだあなたには教えたくはなかったのですが、仕方ありませんね。』

「何か方法があるんだね、ミカエル?」

ミカエルは静かに頷いた。

『自己の治癒力を他者に与える反骨の力です。名を『呪浄』と言います。』

「……呪い?」

ミカエルは哀しげに微笑むだけで何も言わなかった。

「たとえ呪われた力でも良い僕はマリアさんを助けたいんだ!」

ミカエルは数秒、空を仰ぎ頷いた。

『わかりました。ではシルク、全神経をマリアの傷口に集中して……』