始末屋

俺は鳴海から気になる話を聞いていたので、十郎に聞いてみることにした。



「そういえば…。鳴海から聞きましたが…雪像を壊すように進言したのは十郎さんだとか…」


俺がそう言うと、十郎は険しい顔をする。


「すいません…。十郎さんが兄の雪像が何をしても壊れないのを聞いて…何か面妖な存在が取り憑いているに違いないって言い始めて兄があなた達にご依頼したのだと思います…。

私はそんなことないと思うんですが…。
あの雪像見てると…何だか癒される気がしますし…。」


麗羅が十郎の代わりに喋った。



なるほど…。


幽霊辺りが雪像に取り憑いてると思ってるのか。



「あの雪像には絶対悪魔か妖怪が取り憑いとるはずじゃ!じゃないと…火の中に入れて溶けないはずはない!」


十郎が声を荒げて言った。


そして、十郎は俺の手を取った。


「あんた方なら何とかできるから来たんじゃろ?頼りにしとるぞ。どうにも鳴海が心配なんじゃ…」


「まぁ…よっぽど特別じゃない限りは大丈夫かと…」


俺がそう言うと、十郎は嬉しそうにして下に降りていった。


「十郎さん…兄がここ最近雪の女神を買い取りたいって言う人が多くて困ってるの知ってるんです。だから雪の女神を壊そうって…。」


麗羅が心配そうに言った。



一通りはしゃぎ終わった優が俺の隣に来た。


「まぁな。一生溶けない雪像…しかもあれだけ見事な作品なら買い取りたいって奴が多くてもしょうがないな…。

でも…美術家の奴って自分の作品を売って金を稼ぐんじゃないのか?」


「兄は普段は普通のサラリーマンなんで…収入は安定してるんです。だから別に作品を売る必要はないんです。」


だから一瞬の美がどうとか言ってたのか…。