そんなみんなを見ていると、心がぽかぽか温かくなった。
みんな笑ってて、幸せそうだな…──
人の幸せそうな顔を見ると自分も幸せな気分になるなんて知らなかった。
私はこうやって少し遠くで見ているだけで、十分幸せだな。
「夏希ちゃん、お疲れー」
「あ、聖也くんお疲れ様」
私はもっていたコップを聖也くんがもっていたコップにぶつけて乾杯した。
「みんな幸せそうに笑ってるね…」
「夏希ちゃんも輪に入りなよ?夏希ちゃんも1組の仲間なんだからさ…」
仲間…?
私は少し離れたところから見ているだけで十分…
でも、あの輪の中に入ったら?
……もっと、幸せなんじゃない?
「行こう?」
聖也くんは私に手を差し出した。
…私はこの手を取ってもいいのかな?
私が行ったら迷惑じゃないの?



