「まさか、本当にいるなんて思わなかった…」
「どうゆうこと?」
「…お前が体育倉庫にいるって聞こえてきてさ、そんで早く助けてやってくれって凄いリアルに聞こえてきてびっくりした。
あんまり、こういう神秘的なこととか信じねぇんだけど…お前いねぇし、ほっといちゃいけねぇって思った」
新井くんの話を聞いててすぐに"あ、幸信だ"ってわかったよ。
幸信が新井くんに私を助けるように言ったんだよね?
ありがとう…
「あ!早くしねぇとコンクール始まっちまうぞ!」
「うん!!」
私と新井くんは全力で走った。
──ねぇ、幸信…
貴方には感謝してもしきれない
感謝の気持ちがいっぱいだよ…──
「新井くん」
「ん?」
「ありがとう…」
私は走りながらそう言った。
新井くんに鼻でフッと笑っていた。



