私の目の前には、緊張した様子の未央ちゃんがいる。
「あー緊張する~」
「まだ1時間はあるよ?」
余裕があるように言った私だけど、実は私もめちゃくちゃ緊張していた。
クラスのみんなも緊張した様子だった。
ただ一人だけ、たった一人緊張していない人がいた。
…新井くん。
隣にいる新井くんは全く緊張してなくて、携帯をいじっていた。
「新井くんはよく緊張しないね…」
「緊張してどうこうなるもんでもねぇし」
確かに…
と納得したのは私だけじゃなかった。
未央ちゃんと目が合って二人が同じことを思っているのがわかった。
だから二人で笑った。
「楽しそうだね」
そう言ってきたのは聖也くん。
私達の笑い声に寄って来たらしい…
あれ、聖也くんも緊張してない?



