「夏希ちゃん、なんかごめん…」
「なにが?」
音楽室でお弁当を食べるだなんて、しかも聖也くんと二人で……
違うか、幸信も隣にいるから三人だね。
「いや、音楽室入ってきてから夏希ちゃん機嫌悪いみたいだから…」
「え…」
私、機嫌悪い…?
そんな膨れっ面してるかな。
「別に機嫌悪いわけじゃないよ。早く食べて指揮の練習しよ?」
「うん」
聖也くんは微笑みながら返事したかと思うと、凄い勢いでお弁当を食べた。
その姿が面白くて私は笑っていた。
確かに早く食べようって言ったけど、そんなに急がなくても…
「そんなに急いで食べると喉につま…」
「%※△○☆&#!」
喉につまるよ?そう言いかけた時、聖也くんは頬をパンパンに膨らませて空のお弁当箱を私に見せながら笑っていた。
口にいっぱい入り過ぎて何て言ってるのかわからないし…
私は、また笑った。



