純粋で素直な優しい洋子を好きになるのに、そんなに時間はかからなかった。


それは洋子も同じだったようだ。



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「…洋子?」


「ん?」


「俺ら、付き合わね?」


「……うん」



洋子と出会って3ヶ月が経った、ある夏の日のことだった。


俺は中学生になった頃に、親の離婚や大好きなおばあちゃんの死…いろんなことが重なって道を踏み外してしまった。


でも、洋子と出会ってから不良連中とつるむのを極力やめた。


元に戻ろうと喧嘩も暴力も悪さも全部きっぱりとやめた。


そして、洋子とある約束をした。



「圭!うちらも受験生になったね」


「勉強とかマジだり…」


「えー、勉強頑張ってよ?…学校が別々になって一緒にいる時間が減るなんて嫌だ」


「わかった、わかった」



あまりに必死な洋子に俺は笑いながら了解した。


俺はそれから「勉強なんてやる価値ない」と口では言っていたけど、影で必死に勉強したんだ。