私は幸信の後ろをついて歩いた。
不思議だよね。本当は幸信と歩いているのに、周りからは私一人で歩いているようにしか見えないんだ。
幸信の後ろ姿は普通に生きているように見えるのに。
幸信の背中を見ていると、私は変な気持ちに襲われた。
悲しいような、
切ないような、
なんか、変な気持ち。
……幸信の背中に触れたい。
そう思うと胸がぎゅっと締めつけられた。
触れられない。
そうだよね……
だって、死んでるんだもんね、幸信。
今さらかもしれないけど、信じられない。
まだ、この世に居るってことは何かやり残していることがあるのかな?
何か後悔していることがあるのかな?
でも、例えあったとしても私は手伝えない。
だって、幸信と離れるなんて嫌だ。
最低だね、私。



