愛してるの言葉だけで。




私も全て話した。

合唱コンのこと…
聖也くんのこと…
新井くんのこと…
委員長のこと…
担任の先生のこと…


人見知りが克服できそうなことを。


でも幸信のことはどうしても話すことができなかった。


全て話し終えた時に二人の顔を見ると、麻子は号泣していて花菜は涙ぐんでいた。


…どうしたの?



「な゛づ ぎぃ~良かった。本当に良かったね…」



え?

麻子の意思が伝わった私は胸から込み上げる感情で目頭が熱くなった。



「ずっと心配だったんだよ。夏希が友達作るの苦手だってこと、私らが一番よく知ってるからさ…」



花菜の言葉が追い討ちをかけるように抑えていた涙がとうとう流れ出した。


心配…してくれてたんだね。


麻子は私をからかってばかりだけど、私を何より大切にしてくれた。


中三の春、私が熱を出してお母さんが仕事で看病できない時、彼氏との約束をそっちのけで看病してくれたよね。


恋愛や彼氏を第一に考えていた麻子なのに私のために彼氏とのデートを駄目にした。