朝のHRが終わったと同時に聖也くんが私の所に走って来た。
「夏希ちゃん!合唱コン頑張ろうな!」
「うん!一番になりたいね」
そう私が答えたら、聖也くんの顔が照れたように赤くなった。
私…普通に話せてるよね?
人と話すことって、なんだか少し怖くて抵抗があった。
自分の意見や話を否定されて傷つくのが怖かったんだ。
だけど、全然そんなことなかった。
人との関わりって傷を与えるだけじゃなくって、心の温かさも与えてくれるんだね。
傷のほうが少ないことに気づいた。
私、少しずつだけど変われてる気がする。
「良い顔してる…」
その幸信の言葉に私は聖也くんがいるのを忘れ、勢いよく幸信に視線を送ってしまった。



