隣から、なんというか……嫌というか黒いオーラが漂っていて、なんとなく私は逃げたくなった。
何で、そんなに怒ってるの?
私は、恐る恐る隣の新井くんを見た。
「…あ」
新井くんと目があった。
なんか…怖いんですけど。
「…何見てんだよ」
新井くんは、小さく不機嫌な声で私を睨み付けながら言った。
見ただけで普通そんなに怒る?
なんだか私までイライラしてきた。
「夏希を睨み付けるなんて、いい度胸してんじゃん?」
どうやら、怒り出したのは私一人ではなかったようだ。
幸信の言動を見ていた私は、怒る気力を全て幸信に吸い取られてしまったような気がした。
幸信、お兄ちゃんみたい。



