気づけば、幸信の体が半分の腰までなくなっていた。


早いよ…


私達の時間はもうないの…?



「夏希…笑って?夏希の笑った顔が、最期に見たいな」



最期…


私は深呼吸をして、出来る限りの笑顔を幸信に向けた。


どうか、幸信の心の中に私が少しでも残りますように…


幸信も私に最高の笑顔を見せてくれた。


それはそれは、

太陽のように輝く優しい笑顔だった…──


幸信の胸の辺りまで消えかかってきた。


あぁ、神様。

どうか、一秒でも長く

幸信を見つめさせて下さい。